西宮市にある大谷記念美術館に行ってきました。
大谷記念美術館は、西宮市が故大谷竹次郎氏(元昭和電極社長・現社名SECカーボン(株))より、土地建物、美術作品の寄贈を受け、1972年に開館した美術館です。収蔵品の中にはギュスターヴ・クールベの作品もあるよう。これはぜひ直接見てみたいなと思いつつ、今回は、その大谷記念美術館の大きな魅力の一つにもなっている滝のある庭園と、開催中の「喜多俊之展 TIMELESS FUTURE」を見に出かけてきました。
喜多俊之さんは日本とイタリアを拠点に活躍するプロダクト・デザイナー。手がけられたプロダクトが4つの展示室に分かれてたくさん紹介されていました。



その作品は、椅子や机、ランプといった家具から、食器、お鍋、カトラリー等の生活雑貨、そしてテレビ、コミュニケーションロボットに至るまで。

それぞれの作品の背景と一緒に一つ一つ展示を見ていると、特にそのフォルムの美しさに見とれて、いつまでも眺めていたいなと思う気持ちと、ぜひ実際に使ってみたいなという気持ちが同時に湧いてきます。

そんなことを感じながら展示室を進んでいたら、最後の展示室には、実際に喜多俊之さんが手がけられた椅子がたくさん並べてあり、なんと「全ての作品にお掛けになれます。」という表示が。早速全ての椅子に順番に座り、座り心地を確認。いい姿勢で座ることができる椅子、とてもリラックスできる椅子、音響と振動の出る体感型の椅子など、どれも贅沢な椅子ではあるけれども、できることならばぜひ一つ家に持って帰って部屋に置いてみたい思わせる、ごく普通の生活にも寄り添ってくれるような雰囲気や仕上がりは、喜多俊之さんのデザインの根底に、「素敵な暮らし」への願いが込められているからこそというように思えました。

また、喜多俊之さんの活動の一つに、「伝統工芸の保存のため、現代の暮らしの中で違和感なく永続的に伝統工芸が使われるためのデザインの提案」があり、そういったプロダクトの展示もたくさんありました。喜多俊之さんの「使われ続けていけば伝統工芸は残っていくんだな」という言葉も印象的で、展示の工芸品を前に、ぜひこれからもそういったデザインの提案を長く続けて欲しいと強く思いました。

帰りがけに美術館のぐるりを巡り、よく手入れされた庭園を歩きました。

ところどころに彫刻作品の展示もあり、美しい滝と紅葉が本当にきれいでした。いくつかベンチも置かれているので、ゆっくりと美術館の余韻に浸りながら、しばらく庭園で時間を過ごすのもいいかもしれません。庭園の一角には水琴窟も。

一度に様々なアート体験ができるとても素敵な大谷記念美術館。また来年の展覧会にも足を運びたいと思います。

